賃貸住宅の初期費用には何がある?
賃貸住宅に住むと、毎月家賃を支払うことになります。しかし、必要な費用はそれだけではありません。賃貸住宅へ引っ越す場合には、一般に「初期費用」と言われる各種費用がかかってきます。
初期費用にはさまざまな種類があり、意外と金額がかかってしまうもの。ここでは、そんな初期費用一覧をご紹介するとともに、大体の費用感をお伝えします。
「敷金」「礼金」について
最も代表的な初期費用に「敷金」「礼金」があります。敷金は借主による月額家賃の支払い滞納時にその弁済に充てられるもので、賃貸借契約時にあらかじめ貸主に預けておく金銭です。
敷金にはもう一つ、原状回復費用への充当という用途があります。「原状回復」とは、賃貸借契約を終了し借主が住居を退去するときに、住居を借主が住み始めたときの状態に戻すことを言います。ただし、通常生活する中で生じた経年劣化や損耗については、借主は原状回復義務を負わないので、不注意で付けた損傷などがなければ、退去時の精算により丸々返還されることになります。地域や物件によっては「保証金」と呼ばれることもありますが、意味合いは敷金と同じです。
礼金は、その名の通り貸主に対する「お礼」の意味合いで支払われるもので、慣習的な費用になります。礼金は後に返還されることはありません。
敷金・礼金ともに家賃の1カ月~2カ月分で設定されていることが多いようですが、物件ごとに異なるので確認が必要です。
敷金・礼金以外の初期費用
敷金・礼金以外にも初期費用はいくつもあります。まずは「前家賃」です。前家賃の金額も物件によって異なりますが、当月分の家賃(日割りで計算されます)と、翌月1カ月の家賃をまとめて支払うところが多いです。たとえば、10月10日に入居したとすると、10月10日~31日と11月の家賃を前もって支払うことになります。
他にも、火災保険の保険料がかかります。賃貸物件の場合、入居者に加入を義務づけているもので、1万5000円~2万円が相場です。また、物件を「仲介」してくれた不動産会社には「仲介手数料」を支払います。仲介手数料の金額は、宅地建物取引業法(宅建法)で家賃の1カ月分以内と定められています(別途消費税がかかります)。
カギを交換する場合は、その費用も必要です。物件によって、入居者が負担するのか貸主が負担するのか異なることがありますので、事前に確認しましょう。
一般的な認識として家賃半年分+引越し代は貯めるべき
以上を踏まえると、賃貸住宅を借りるとき、家賃だけを見て決めてしまうと、あとで初期費用の高さに悲鳴を上げることになるかもしれません。地域や物件ごとに条件は異なりますが、一般的に家賃半年分は初期費用としてまとめて支払うことになると考えられます。たとえば、家賃が8万円の物件に入居する場合、初期費用50万円前後が相場です。
「初期費用」のカテゴリーには含まれませんが、引越し代金や家具・電化製品の購入費用も考慮する必要があります。転居に伴う費用として、初期費用にこれらの料金を加えた金額は貯金しましょう。複数の引越し会社から相見積もりを取ったり、中古家具・電化製品を購入したりすることで費用を抑えられる可能性はあります。それでも、引越し距離や購入物品の数によっては、数十万円が必要です。
費用を抑えるためには、家賃だけでなく初期費用の条件に着目するべきでしょう。最近では敷金や礼金が必要ない、あるいは安い設定にしている物件も増えています。「フリーレント」といって、入居後しばらく「無料期間」として家賃の支払いが不要となる物件もありますし、仲介手数料が安い物件もあります。
初期費用の条件や金額は多様化の傾向にあるので、少しでも安い物件を探すのであれば、インターネットや雑誌などを通してじっくり情報を得るようにしましょう。
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